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実務 / Practitioner

米国上場の費用——日本企業のコスト構造を読み解く

What a US listing costs a Japanese issuer

追跡中の日本発Nasdaq案件は小規模で価格決定される——調達額は概ね400万〜1000万ドルに集中する。この規模の調達に対し、上場コストは端数ではない。実質的に大きな固定費であり、案件が小さくなっても比例して下がらない。

固定のベンダー体制

これらの上場はいずれも同じ5要素を備える——(1)引受手数料を取る引受会社、(2)PCAOB登録の監査人、(3)米国証券弁護士、(4)日本(現地)弁護士、(5)株式名義書換代理人とIR支援。例えばPCLA(ピコセラ)では、引受手数料だけでADSの8.5%に達し、その上に監査人・弁護士一式が乗った。

実績ある引受会社・監査人・弁護士の組み合わせを選べば、初の米国上場でも検証済みの道をたどれる——ただし調達が400万ドルでも1000万ドルでも、その道の固定費は支払うことになる。

小規模調達が比例以上に高くつく理由

監査・法務・SEC審査は範囲がほぼ固定のため、500万ドルの調達も1000万ドルの調達と同じ基礎コストを吸収する——実効的な資本コストは概ね倍になる。MRM(Medirom)、MWC(ミックウェア)、LRE(Lead Real Estate)はいずれも標準的なベンダー・テンプレートをたどった。手取りの差の大半は、より安い体制ではなく調達規模から来た。

見せかけの節約

小規模調達での誘惑は、体制を価格で選ぶこと——より安い監査人、より安い弁護士だ。監査人市場はそれを危険にする。手数料で選んだ監査法人が後にPCAOB検査で問題を抱えれば、再監査を強いられ、スケジュールを崩し、上場後の信認を毀損しうる。これは本コホートにとって仮定の話ではない(監査人選定に関する別稿を参照)。遅延の1週間が資金を燃やすマイクロキャップでは、その「節約」がしばしば案件で最も高い項目になる。

各上場プロファイルに示すコストは、提出書類の手数料表との照合前のサンプル値であり、推定を事実として示すのではなくその旨を明記している。要点は変わらない——1000万ドル未満の調達では、ベンダー体制が案件で最大の可制御コストであり、そこでの誤った節約こそ、クロスボーダー上場が最も頻繁につまずく場所である。

データは情報提供のみを目的とし、投資勧誘ではありません。